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JULY
オフMONDAY 2019 / 7 / 22
ミツハの一族
Text by Shinji Sato
こんにちは。
いつもブログを書く時
どうやって話を本題にもっていけばいいのか悩んでしまいます。
さんざん悩んだ挙句
結局唐突に書き始めることが多いんですよね。
という訳で唐突に
今日はオススメの本を一冊紹介します。
「ミツハの一族」
あらすじ
未練を残して死んだ者は鬼となり、水源を涸らし村を滅ぼす――。鬼の未練の原因を突き止めて解消し、常世に送れるのは、八尾一族の「烏目役」と「水守」ただ二人のみ。大正12年、H帝国大学に通う八尾清次郎に、烏目役の従兄が死んだと報せが届いた。新たな烏目役として村を訪ねた清次郎。そこで出会った美しい水守と、過酷な運命に晒される清次郎を描く、深愛に満ちた連作集。
あらすじに「連作集」とある通り
内容はそれぞれ1話ごとにまとまっているので
区切りよく読みやすい一冊。
あらすじを見る感じ「ホラー」や「ファンタジー」っぽそうな感じがしますが
読んでみるとあまりそんな感じではなく
軽いミステリーとヒューマンドラマを混ぜた感じです。
まずはこの作品で最も重要な
「烏目」(カラスメ)
「むくろ目」
とはなにか簡単にご説明いたします。
どちらも八尾の一族が持つ特徴ある「目」のことを指し、
烏目は八尾一族の男に、むくろ目は八尾一族の女に現れます。
●烏目
烏目は男子のみに現れ、目の色が常人に比べて極端に黒く、若干の色覚異常を持つ。なにより特徴的なのは、昼は遠くの小さなものでも捉えられる一方、暗くなっては殆どなにも見えなくなる。
●むくろ目
女にでるむくろ目は男子とは正反対であると言われる。昼日中は眩しくて目を開けていられず、明るいところでは盲人同然でありながら、闇が深くなればなるほどに見えるようになる。
話の舞台となる白石村の小安辺(こあんべ)という地域には古くからの言い伝えがあり
「未練をのこして死んだ者は鬼となり、村の井戸の水を赤く濁す」
「水が濁ったままでは水源が涸れ、村は滅んでしまう。」
と言われています。
実際に村では人が死んだ後に井戸の水が濁ることがあり
その時は「烏目役」と「水守」の二人が
鬼の未練を断ち切り常世に送ります。
●烏目役
「水守」から聞いた情報を元に推理し、鬼を成仏に導く役目を持つ。村の存続に関わる大役を担うので村の中では絶対的な権力を持ち。烏目役の人物が「烏目役」として命じた命令には絶対服従。
●水守
むくろ目を持ち、夜に鬼を見る役目を持つ。見た鬼の様子や容姿を「烏目役」に伝える。
物語の主人公である「八尾清次郎」は
八尾の分家であるがはっきりとした烏目を持って生まれる。
彼は不便なこの目を”ある種の病気“と考え
目を治すべく眼医者を目指し大学に通う大学生。
ある日彼の元に現烏目役である「八尾庄一」が死んだ
との知らせが入るところから話が始まります。
と、まぁ紹介は以上です。
本を探している人は是非一度読んでみてください。