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MARCH
オフTHURSDAY 2019 / 3 / 14
ふるさとの有名人
Text by Takashi Kageyama
私の生まれ故郷境港市。この町で一番有名なのは誰もがゲゲゲの鬼太郎の生み親「水木しげる」と言うのではないだろうか。
私もそう思っているぐらいだ。
実はその水木しげる先生は私のおじいちゃんの同級生で仲良しだったらしい。話によるといつも4〜5人で遊んでいたと聞く。実家にはおじいちゃんと水木先生の写真も飾ってあるし、実は実家の4軒ほど隣が水木先生の実家である。さらにはおじいちゃんの葬式の時に水木先生から弔辞が届いたときは家族みんながびっくりしたもんである。結局、仲良し4〜5人の中で一番長生きしたのは水木先生らしく精力的に活動している人はやはり元気なんだとしみじみ思った記憶がある。
そんな近所ということもあって「のんのんばあとオレ」に出てくる「のんのんばあ」の名字が私の名字と一緒なのでまさか自分の家族と関係あるのかと思い調べたこともあったが残念な事に全然関係なかった。
せっかく一つ自慢話が出来ると思ったのに私の夢ははかなくとも消えていった、、、、
そんな水木先生とほんの少しだけ縁があった私だが、一回だけお会いしたことがある。
私が小学生だった時、話では実家だと聞いていたが当然姿を見たことはなく半信半疑だった。さらにその実家の隣は広い空き地で当時活発だった私には最高の遊び場だった。そこで私は今考えると恐れ多いことに水木家のブロック塀をキャッチャーミット代わりに友達と野球を始めた。
しかし楽しい時間は過ぎ去ってゆくのであった、、、、
私は大きなキャッチャーフライをあげたのである。
しかしキャッチャーは水木家のブロック塀、、、動かないぬりかべである。
当然ボールは水木家に入る。
そこで私はぬりかべをのり越えて侵入開始(少年時代だから許してください)
見事ボールを奪還
再びぬりかべを乗り越えて脱出成功。見事任務成功。
と思いきや、中から人が、、、、
まさかの妖怪、、、
いや水木先生の登場である。
目の前に現れた幻の存在とも思っていた人がまさかこのタイミングで現れるとは、、、
まさに不法侵入の直後、、、
私は毛針を撃たれるのか、
いや、下駄が飛んでくるのか、、、
まさかの黄色と黒のコントラストが美しいちゃんちゃんこで吹っ飛ばされるのか、、、
覚悟した瞬間水木先生の口からでた言葉は
「元気な子供たちじゃの〜、子供のうちは遊べよ〜、大人になってからは遊びずらいからの〜」と笑いながら言ったのである。
怒られると思ってた私たちはびっくりしたと同時に興奮した
やはり大御所は心の広さが違う。。。
私もそんな大人になれるのだろうか、、、とすでに大人だが思ってる今日この頃です。