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山陰の情報を発信するカミナリ

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APRIL

ウェブTUESDAY 2019 / 4 / 2

インターネットの広告の仕組みとBraveブラウザの話

こんにちは、松本です。

最近 Brave というブラウザを使っているのですが、そのへんのことを書こうとしたら
インターネット広告の話にまで広がってしまったので章立てて書いています。

 

インターネット広告の仕組みの話

ウェブサイトを見ているユーザーには追跡用のIDが割り当てられます(トラッキングID)。
そのIDと検索履歴や表示したページの内容によって、ユーザーの性別/年齢/趣味嗜好が解析され、適切な広告が表示されるという仕組みです。

 

ぼくはGoogleからどんなふうに見られているのか?

ためしに ぼくがどんな人だと Google から判断されているか見てみましょう。

https://adssettings.google.com/u/0/authenticated

にアクセスすると下記のように分析結果が表示されます。

 

年齢・性別に加え、ウェブ制作の仕事の関係上のカテゴリー、趣味のゲーム等かなり正確に把握されています。(ただしカメラやクラシック音楽には特に興味ない等、正確でない部分もあります)

Google Analytics ではサイトへの訪問者の各種属性(年齢・性別・趣味等)が表示されますが、それらはこの情報を元に表示されています。

 

 

Braveブラウザの話

ところで最近 Brave というウェブブラウザを利用しています。

Chromium という Google Chrome と同じ基礎から成り立っていますので操作性はほぼ同じです。プライバシーや安全性(ついでに表示速度)を重視したブラウザですが広告システムに大きな特徴があります。

特徴を Wikipedia から引用しますと、

広告ブロック機能を標準装備し、ブロックした広告の代わりにBraveが別の広告を挿入し、その収益をウェブサイト、Brave、広告代理店、ユーザーの4者に分配するという特異なビジネスモデルを持つ。

と、変わった思想をもったソフトウェアです。

なおしばらく使っていますが、Braveが挿入したとおぼしき広告を見たことがありません。

 

Braveブラウザの良い点

※環境はバージョン 0.61.52/64bit Windows版

  • (基本的に)広告が表示されないので、記事を読むのに集中できる。
  • 広告をロードする時間がないので表示が高速。
  • Google Chrome用の拡張機能も導入できる。
    ※ただし導入によりセキュリティやプライバシー保護機能が低下する恐れがあります。
  • Google Chrome など別のブラウザから、お気に入りやパスワードを簡単に移行できる。

 

Braveブラウザの悪い点

  • 広告が表示されなくなるため、広告収入によって成り立つサイトの収益が悪化する。
  • ウェブフォントが正常に表示できない場合がある。
    例えばこのページを開くと、こんな感じで表示されます。

 

Braveブラウザの公式サイト

Braveブラウザの公式サイトが好きです。

 

You are not a product.
あなたは製品ではありません。

 

Braveのロゴのついた帽子をかぶった女性以外には額にバーコード(トラッキングIDの比喩)が貼り付けられているというもので、広告のシステムがわかっていると思わずにやりとしてしまうトップになっています。

(ちなみにこういうファーストビューを覆い尽くすようなタイプのレイアウトを ヒーローイメージ といいます)

 

スマホアプリ版 Brave

スマホ版アプリもあり 標準で広告をブロックしますので、記事に集中したいときは良い感じです。

なおスマホ版は日本語に完全対応済み。

ただ、パソコン版とお気に入りやIDパスワードを同期する機能があるのですが、ぼくの iPhone6 ではそれができないのは不満です・・・

How do I set up Sync? – Brave Help Center

(2019/4/3追記)
ちょうど投稿日の2019/4/2 の更新でiOSでSync機能が使えるようになりました。

 

今後のブラウザと広告ブロックについて

Chromium の開発を主導しているGoogleは、拡張機能を使っても広告ブロックができないようにしていく計画だとしています。

Googleがウェブ上の広告を非表示にする広告ブロック機能をChromeなどで無効化するための施策を進める – GIGAZINE

将来的には Google Chrome では広告をブロックできなくなる恐れがありますので、Firefox や Brave 等のブラウザを使わざるを得なくなるかもしれません。

 

情報セキュリティにとってのネット広告

母校から「情報セキュリティの講義をしてほしい」と依頼を受けて講義をすることがあるのですが、広告には悪質な広告も多数見受けられるため、

 

「自己防衛のために広告を無効化するほうがセキュリティ的には望ましいです」

 

という話をさせていただいています。

もちろん「広告がなければウェブサイトの運営に支障が出る」というのは重々承知しているのですが、不正なサイトに強制転送する広告もあるため自己防衛のためにはやむ無しという措置です。

(「パソコン恐い、インターネット恐い」的な中高齢者が受講者に多いという事情もあります)

 

Googleなどの広告会社も適正でない広告を表示するサイトへの対応はしているようですがまだまだ不十分で、

  • FX/株で儲けようといった怪しい広告
  • ゾーニングを無視した性的内容を含む広告
  • 「あなたのパソコンはウイルスに感染している!」等、虚偽を告げる広告
  • 誤操作を狙った不適切な動きをする広告
  • パケットを大量消費する動画広告が自動再生

などで不愉快な思いをしたことがある人も多いと思います。

安全・安心なウェブ広告システムとはとても言い難いので、特に情報リテラシーの低い層にはおすすめできないんですよね。

 

まとめ

ということで、広告がどうのみたいな話をしてしまいましたが、言いたいことは

 

Brave ブラウザはいいぞ!

 

というくらいですので、みなさまにもおすすめです。

 

 

余談:iPhone や iPad のSafariで、無料で広告ブロック

Firefox Focus というアプリを入れて、Safariの設定をすると Safari での広告を抑制できます。

インストール後、下記手順で設定可能です。

 

設定 → Safari → コンテンツブロッカー → Firefox Focus を有効化

 

松本博之隠しプロフィール画像

TEXT by

松本 博之まつもとひろゆき)

1978年、鳥取県米子市生まれ。
株式会社マジックワード WEBシステムの開発・運用を担当。

WordPressの実績多数。表面的な使用方法を把握するだけでなく、WordPressのソースコードを読み解いて対応できます。
国家資格の基本情報処理技術者を保持。

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