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MARCH
オフFRIDAY 2019 / 3 / 15
固形墨の悲劇
Text by Oomura Natsumi
普段習字をする時には最初から液状になっている墨汁を使っているのですが、この前はいつもと違う書き方をしたいと思って、実に高校以来の固形墨を使うことにしました。
(←左:墨汁 / 固形墨:右→)
それでは以下の行動を、固形墨には[“一定の温度以下になると固まる”性質を持った成分が含まれている]という点を踏まえてお読みください。
昼休憩の時間が近づき、一旦習字道具を片付けることにしました。
硯にはまだ磨った墨が少々残っています。
このまま硯に出したままでは何かの拍子に溢れてしまう可能性があるため、普段から使っている墨汁の容器(よく冷えた1回分の墨汁在中)に吸い取りました。
片付けた道具は作業台の下、そのなかでもさらに奥の暗所へ置き、昼休憩に入りました。
……お分りいただけただろうか……。
それでは問題のシーンを確認してみましょう。
昼休憩の時間が近づき、一旦習字道具を片付けることにしました。
硯にはまだ磨った墨が少々残っています。
このまま硯に出したままでは何かの拍子に溢れてしまう可能性があるため、普段から使っている墨汁の容器(よく冷えた1回分の墨汁在中)に吸い取りました。
片付けた道具は作業台の下、そのなかでもさらに奥の暗所へ置き、昼休憩に入りました。
まず容器に吸い取った時点で、中に残っていた墨汁の冷たさで一気に冷えてしまいます。
それを室内でもより温度の低い暗所に置いた事によって、時間経過(昼休憩)でさらにじわじわと温度が下がるという追い打ち。
昼休憩から戻って再開しようとした時、容器から出てきたのはぷるぷるのゼリー状に固まった墨でした……。
元から残っていた墨汁も巻き添えで固形にされかけていたため、完全にカチッと固まるところまではいかなかったようです。
あと1回分くらい墨汁残ってたのに、もったいない……!
一度硯に全部出してみたんですが、これがなかなかの光景で。
山盛りの黒いゼリー……、ちょっとした気味の悪さを感じる物体と化していました。
墨で書く、しかも磨った墨で、なんて事は日常生活の中でほぼないとは思うんですが、もしもそんな機会があったらお気をつけください……。